H O R R O R 投稿

#01:夢

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ロケが自然と減って来るこの季節なわけであるが、さすがのサイコ☆クラッシャーと言えども季節までは変える事は出来ない。
そう、我々はただひたすらに雪が溶け暖かくなるのを待つのみである。
だが私に至っては何故か知らんがロケがしたくてたまらない。
ALEXに言わせれば
『珍しく、そして無駄にやる気を出している』
私であるが、温室育ち、それもヌクヌク快適無菌ルームの温室で育ったALEXには外界の寒さを耐えられないらしい。
と、言うわけなので、私の恐怖投稿を、、、。
内容は私の夢の話であるが、、、、。
私はたま〜に変わった夢を見る。
これは私とALEXが出会った頃の夢であるのだが、夢の中で夜、私は無性にタバコが欲しくなった。
しかし、ちょうどタバコを切らしていた為に私はタバコを買いに行かなければならない。
その為に家を出た。
もちろん車を所有している私であるが、何故かこの時は歩いて行こうと決意した。
当時、私は山の中の家に住んでいた。
近所なんて隣に一件ある程度で、後は30分位歩かねば他の民家はないような所である。
麓へ下りるには更に30分。
計一時間はかかってしまう。
そんな状況にもかかわらず私は歩いて行こうとしているのだ。
むろん、その時にはそんな事は一切考えない。
少し歩き始めたところで私は妙な気配を感じた。
近くの森から歌声が聞こえるのだ。
歌は童謡。
『かごめかごめ』だったり『森の熊さん』なんかを大勢の人間が歌っているのだ。
しかも、それは移動しており私の方へ向かって来るではないか。
すでに辺りは夜。
この辺りには人がいる事自体珍しく、しかも大勢が歌を歌っているとなれば、さすがの私も不気味さを感じずにはいられなかった。
私は慌てて自分の部屋に戻ると上手くやり過ごそうと息を潜めた。
やがて歌声は私の家の方へと向かって近付いてくる、、、。
部屋のすぐそばを、大勢の人間がぞろぞろと通っているではないか、、、。
その時私は恐怖心よりも好奇心の方が強くなった。
一体何が外を通っているのか見てみたい。
その一心で私はカーテンを少しだけ開けて窓の外を見た。
しかし窓は湿気を帯びていてまったく外が見えない。
私は手でスッと窓の湿気を拭い、外を見る。
そこに現れたのは、
今まで見た事もない真っ白い顔をした男の顔であった、、、、。

実はこの話はそれで終りと言う訳では無いのである。
つい最近もこの森についての夢を見た。
私は彼女と、そして子供達を連れてその森の脇を歩いている。
時刻は夕方。日は沈みかけ辺りは暗くなり始めている。
私は子供を1人抱きかかえ、もう一人の子供と手を繋いでいた。
彼女は私よりかなり先を1人で歩いている。
その差は約20m程であろうか、、、。
ふと目を脇の森に向けると、
木の陰や草陰から影のようなモノがいるのが見えた。
そしてまたしても歌い始めたのである。
今度は何を言っているのかは分からない。
1人1人が同じ事をブツブツ言っているのであるが、はっきり何と言っているかは分からない。
私は急ぎ足で森を横切ると先へ行く彼女に追い付いた。
すると森からその影達は出て来て私達の後ろをついて来るではないか。
しかも、私にしか見えないらしく、恐がりなはずの彼女は平静である。
私が止まると相手も止まる。
進み始めると相手も近付いて来るのである。
一定の距離を保ちつつ影は私達に付いてくるのである、、、。
今回はここで夢は終わってしまった。
この森には一体何があるのであろうか?
一説では、昔この森の一帯でアイヌと本土の連中の戦いがあり、大勢の死人が出たらしい。
現に私が住んでいた頃に、隣の敷地の畑からかなり古い人骨が出土し、話自体の信憑性は十分に高い。
text by FANCY