H O R R O R ! 恐怖新聞 5th シーズンス

#03:廃校跡

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act.03

●前回までのあらすじ
沈黙の中シャッターを切り続ける私。
モニターに写るオーブの数が次第に、そして確実に増えている。
「、、、、、、、、、」
窓から身を乗り出し撮影している私を冷たい風が吹き抜ける、、、、、。
何も知らぬFANCYはただ私の撮影を眺めている。






























これは一体、、、、、、、。










冷たい風が私の体温を奪っていく。









モニターに写るオーブも数が増し始めた。























もしかしたらすでに我々の回りには無数の浮遊する霊がいるのではないか、、、?















そんな思いも拭えないままシャッターを切る私。








車の中では不規則なエンジン音とヒーターのファンが吹き出す風の音が響いている。








息を殺し私を眺めているFANCY。















「なぁ、、、、、FANCY」




















「、、、、、、どうした?」
























「一言言っていいか?」
























「、、、、、、あぁ」





























「、、、、、、、



































雨降ってる」




















「、、、、!?



















「、、、、、、」























「オ、、、オーブ??」


















「、、、、、、あぁ」











「何だそりゃぁ!」









「俺のせいじゃねーよ!だって超微粒子の雨なんだモン!」








「気付けよ!ビビッただろ!」








「お前だって気付かなかったクセに!!」










無数のオーブの正体が分かって、少々意気消沈ぎみの我々。









どうりで寒いわけである。











肌に付いた微粒子の水滴が風に吹かれ体温を奪っていたのだ。







「あぁ〜ぁ、ガッカリ」






「俺もガッカリだっつぅ〜の!」








「もうここは良いか」








「あぁ、全然ok。














むしろどうでも良い










「んじゃ、移動しよう!!!」











ガッカリ部隊サイコ☆クラッシャーは再び進路を南に取った。










相変わらずの山道。






クネクネと回りくねる山道は非常に退屈である。









カメラのレンズを拭いながら試し撮影。







































山道は急に拓け「九戸線」へと出た。











ここまで来ればもう少しで小学校跡地。





綺麗に整備された道路を颯爽と走るスーパー・シークレット・ローレル・エクセレント号






バカ話も尽きる事なく繰り返されていたわけだが、











「ちょっとストップ!!」












「何だよ」








「いいから、いいからちょっと、、、



早く止まれって!」







「一体ぜんたい何だよ!」







路肩に車を停めFANCY伊藤が面倒臭そうに私を見る。








「も、、もしかしたら、、










今から廃校跡ロケ何てしてる場合じゃないかも知れない、、、」







「、、、、、、どうした?」









「マじかよ、、、






かなりヤバいって、、、、、」








「何だよ!早く言えよ!」







「10メートル程車をバックさせてくれ、、、、、」




「、、、、、、、分かった」








ただならぬ雰囲気を感じ取ったのか、FANCYは口数少なく車をUターンさせ来た道を戻って行った。












「や、、、やっぱりな、、、




かなりヤバい、、、、」








「、、、ドコまで戻ればいい?」








「あっ、あそこのカーブで再びUターンさせてくれ」








車が回れる程の路肩を見つけ、そこでUターンを指示。




Uターンさせる為に停車している間にFANCYに伝えた。








「いいか、、、右手側を注意深く見て走れ。



出来るだけスピードは落とした方が確認しやすいはずだ、、、」








「、、、、分かった」






そして、我々を乗せた車は再び道路を走り出した。かなり遅い速度で。










「いいか、、、そろそろ見えてくるはずだ、、、」











「右手側だな、、、」









「そうだ、、」










、、、、







「あっ!!」







「なっ!?」







「マジ??」








「マジだろ、、、」











「いいのか!!!







こんな所にデカデカと書いてあって!!」









だぞ!!!よし!

今から掘りに行くぞ!!








「ギャハハ!!よし、それじゃぁ早速見てみないとな!」







「あぁー!停めて是非とも寄って行こう!!」








と、言うわけで『宝の案内板』を発見した我々は車を停め案内板を拝見する事に。
















『蛍舞い飛ぶやすらぎゾーン』???」













「何じゃそりゃ??」








「わけわからんな、、、、」













「金銀財宝はドコ!?」












「期待出来んな、、、、おっ、こんな所にパンフが」








「パ、パンフまであんのか!?」












「あぁ〜あるみたいだぞ。どれどれ、、、」








『二戸市 白鳥・坂本 宝マップ』と書かれたパンフを開いてみるFANCY。









「デカッ!こんなにデカいの!?」









確かに無駄にデカイ。経費かけ過ぎだ、、、、。







「ほほぉ、どれどれ」









私も興味津々で覗いてみる、







が、





地図と観光名所が記載されているだけで、金銀財宝の在り処はドコにもついていない。











「、、、、、、、、」










「、、、、、、、、」













「さて、、、もうすぐで到着だ」










「、、、、行くか」











再び意気消沈部隊サイコ☆クラッシャー
先着一名様に『二戸市 白鳥・坂本 宝マップ』差し上げます。サイコ☆クラッシャーまで御希望の方は御一報下さい。













車に乗り込もうとするFANCYを撮影する為に呼び止める。







「ちょっと待て!写真撮る!」








「あぁ、いつでもOKだぞ」








颯爽とポーズを決めるFANCY。







「ちゃんと撮れよ!」















「大丈夫だってお前じゃないんだから」

















「このポージングをキメれるのは





俺か




香港人



位だからな















 










「あぁ、車にそうやって寄り掛かれる奴は、



今の日本じゃ滅多にいない







パシャ。






と、言う事で





FANCY伊藤の香港人スタイルも撮影出来た事だし、




消沈しかけた意気も取り戻し再び廃校を目指した我々。




後、数分も走れば到着するはずだ。










「おっ、見えてきた。あそこ入るんだよな?」








「多分、、、俺全然知らないんだよ」







道路から右に下りる坂を発見。







そこを下るとすぐに旧坂本小学校跡地の校庭にぶつかる。








「おぉー!着いたー!」




「到着ぅぅー!!」



情報提供者M氏によれば、すで校舎は取り壊されており、

体育館(と、言うよりも講堂と言った広さ)の跡、

それにプレハブ、校舎跡が数棟あるらしい。









到着後すぐ我々の目に付いたのは、講堂跡の建物。





情報によれば、講堂プレハブ問わずに、地域の施設として今もなお使用しているらしい。







と、言う事は誰かが管理しているはず。





廃虚にありがちな草ボーボーとは一転して、まったく綺麗な状態で存在している。








「これが体育館か?」






「そうだろうな、、、、」




















やっと到着したのだ。




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