P S Y C H O K R U S H E R - H O R R O R ! 恐怖新聞 5th シーズンス
#05:慰霊の森
act:05
会話色 - ALEX - FANCY伊藤 - tonkyさん -下閉伊さん
「どうしてこれに気づかなかったんだろ、、、、」
重苦しい空気が全員を包む。
不穏な雰囲気と辺り一面に漂う 生あるもの を拒む空気。
幾多の魂がここに眠っているのだろうか、、、。
せめてもの救いはまだ日が高く、辺りが目視出来る事だけだろうか、、、。
しかし、この場所においては日が高い低いはさほど重要ではない。
草陰や木の陰から感じる無数の視線、気配、音、匂い。
全てが異常なまでに異常なのだ。
長い時を経ても尚静まる事のない魂。
明らかに拒絶されて。
しかし、そんな事など僕らが分かるわけもなし。
多かれ少なかれ心霊スポット巡りをこなして来たけど、
いまだにドコ行ってもピンとこないのは
良く言えば「ホラ、俺等って体質違うしさ」
悪く言えば「ホラ、俺等ってバカだしさ」。
ふん。まぁせいぜいバカにするが良いさ。
俺等だって名目上はサイトの為って事になってるけど8割5分道楽みたいなもんだし、その内の半分はtonkyさんに半ば強制的に連れてこられたなんて口が裂けても言えないし、言ったら多分口裂かれるし。
「いやぁ〜やっと到着〜!」
「車はドコに停めましょう?」
「ここで良いだろ、ここ」
「って言うかここしかないしね」
「それもそうですね」
グググッとただでさえ道幅が狭い道に路駐したスーパーローレル号。(ボロ
「ここに停めて上まで行って帰ってくると、車の向きが変わってたりするらしいよね」
「あと無数の手形が付いてたとか」
「どうせならひっくり返ってたりしたら笑えるのにな」
「笑えね〜っての」
「明らかに人為的な跡があったりしてな、無数の靴跡と重機の跡とかさ」
「だから笑えね〜っての」
「パキスタン人とかがさ」
「だからいね〜っての」
「降りてきたらローレル号の前でひざまずいて拝んでたりしてさ」
「だからしね〜っての」
「中国人がタイヤとホイール持って走って逃げてったりしてな」
「だからいね〜っての」
「黒人の子供がボンネットの上でバスケしてたりさ」
「なぁ、PSYCHOKRUSHERのお二人さん、俺等はそろそろ山を登ろうと思ってんだがいかがかな?」
「え?あっ、あぁ、そうでしたね、慰霊の森調査でしたね、えぇ、行きましょう、行ってしまいましょう!」
結局の所、本部だろうが心霊スポットだろうがバカは治る事を知らず醜態をさらしてしまったPSYCHOKRUSHERだが、ここは1発ドカンと見せておかなければならない。一番に車降りたし。
一番に写真撮ったし。
一番に階段登り始めたし。
どう?これでPSYCHOKRUSHERの威厳も保たれたってもんでしょ。
さて、一段一段踏み締めるように木で出来た階段を登る我々4人。
その段数 550段 。
先は長い。
写真撮影の為と称してPSYCHOKRUSHERは最後尾を守る。
守ると称してはいたが、実のところALEXの体力を気づかっての3人の心使いだとはあえて伏せておく。
- - - - - - -以下、ヒィ〜ヒィ〜 と ハァ〜ハァ〜 のみなので割愛。
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「ヒィ〜、ヒィ〜、ちょ、ちょっと皆さ〜ん、
ここら辺で ビバーク しませんか?
んで明朝改めて攻めるってのはどうですかぁ〜?」
「バ、バカかALEX、何言ってんだ!そんな恥さらすような真似すんなって!」
「だ、だってよ〜、まだあと数百段もあるんだぜ〜、俺ここで待ってるから行って来て良いよ」
「おーい、ALEX〜、早く来いよ」
「はい、全然OKですよ、イヤだな〜tonkyさん、さっきのは冗談に決まってるじゃないですか」
「ははは、さすが総帥」
「いやだな〜下閉伊さんまで、そんな事言われたら調子に乗って先に行ってロケ済ませて下山してきますよ〜」
「んじゃ行けよ」
「いや、勘弁。って言うかお前に指図される覚えはない」
「いちいちムカツク奴だな」
「うるせ」
- - - - - - -以下、ヒィ〜ヒィ〜 と ハァ〜ハァ〜 のみなので割愛。
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「んでもさ、いつになったら着くんですかね〜?」
「まだまだじゃないの?」
「やっぱりそう思いますか?」
「いや〜ほんと俺等って体力ないですからね〜」
と、その瞬間。
「あっ!」
「あっ!」
「あっ!」
一瞬、呆気に取られる3人。
tonkyさんが猛ダッシュをかけたのだ!どうしたのだと言うのか。
霊の姿でも見たと言うのだろうか?それとも聞こえぬ声が聞こえたのだろうか?
何かに導かれるように猛ダッシュで階段を駆け登って行くtonkyさん。
数十段も登ったであろうか。
「ヒィ〜 ヒィ〜 ヒィ〜」
tonkyさん瀕死だし。モロ息あがってるし。
(ど、どうしたんだろうな?tonkyさん)(さぁ、、、、分からん。分からんけど苦しそうなのは確かだな)
(あぁ、tonkyさんの本気っぷりを感じたもんな)
- - 真相はtonkyさんの呼吸が治まるまでしばしお待ち下さい - -
5 分 後
「だ、大丈夫ですか?tonkyさん」「あぁ、全然OKだ」
(お、おい「全然OKだ」と言われたぞ、突っ込むべきなのか?)(やめとけ、「5分も息あがってたじゃないですか〜」なんて言ってみろ、ここから叩き落とされるぞ)
(それもそうだ、言わぬが仏)
(いや、言えば仏 だ)
「あはは、それは良かったですね」「んで、実際どうしたんですか?」
「ん?別に。ただ本気っぷりを見せてやろうかと思ってな」
(お、おい、やっぱりさっきのは突っ込む所だったんじゃないか?)(いや、なるべくこの話題は遠ざけておいた方が良いかもよ。案外罠かも知れないし)
(了解)
「ははは、tonkyさんの本気っぷりは十分分かりました、ハハハ」「ハハハ」
「さて、また登るか」
何がなんだかさっぱり分からなかったPSYCHOKRUSHERだが、
ここではあえて 下閉伊さんだけは理解っていた と思いたい。
思っていたい。
そこから大きく階段は弧を描きさらに上に繋がっている。まだ慰霊塔の陰も形も見えない。段数だけ見れば半分以上は登った計算にはなるが、、、。
しばらくすると一気に視界が晴れた。
「おぉ、すげぇ〜見晴らし」
「壮観だな」
風景だけ見ればただの伐採丘だが、場所が場所だけに不思議な印象を覚える。事故後、多分この山はこのような状態になったはずだ。
機体の最大部分は慰霊塔がある場所に墜落したのが、この近辺はまさに地獄絵図と化していたはずだ。無数の残骸とバラバラになった原形をとどめていない肉片。その他多くの落下物。
すべての物を収容する為、木は刈られ地肌は剥き出しにされた事だろう。
ただし、数十年経った今もなおこのような状態にあるのはどうした事だろうか。
ただの思い過ごしであれば良いが、、、。
その場所からさらに数100m程登り切った場所が慰霊塔だと思われる。
ここまで来て、よく聞く心霊話の真相がどうにもこうにもウソ臭くなってきた。詳しくは知らないけど
夜中暴走族が女の子を連れて慰霊塔の前の木に縛り付けて放置して翌朝来たら死んでいた だか
白髪になっていた だか。どう考えてもこんなとこ夜中登ってこないって。普通に暗いし。
心霊スポット云々の前に、最も分かりやすい例で「森」とか「森林」を想像して。もしくはキャンプ場のハイキングコースとか。
普通夜中歩かないって。そうとう奇特な人だけだと思われます。実際。
それに一夜にして白髪にならないし。なったら世界ビックリ人間出れるし。異常な新陳代謝の持ち主だし。人体実験のモルモットコースだし。
まぁ、ウチはそんなサイエンスサイトじゃないので割愛。
とにかく、ここにまつわる心霊話の1つはウソと認定します、PSYCHOKRUSHERが。
尚、文句は一切受け付けておりません。
そうこう話をしてる間に到着。
ついにそれっぽい石が見えてきました。
「着いたぁ〜」「おぉ、ここがそうですか」
「長かったね〜」
「えぇ、途中何度帰ろうか自問自答した事か」
長かった階段も終りを告げ、我々の前に大きな慰霊塔が姿を現わしたのだった、、、、。
act 06へ続く
シコシコでもして次を待ってて下さい。
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